2026.08.04

【導入事例】株式会社中野建設|作って、終わりにしない。建設会社がAIで挑んだ経理DXのリアル

導入事例 株式会社中野建設(中野ホールディングスグループ)

佐賀県佐賀市に本社を置き、建築・土木・道路・ハウジングなど多様な事業を手がける、創業約100年の株式会社中野建設。中野ホールディングスグループの中核を担い、「DX認定」の取得やDX Selectionへの選出など、以前からDXに積極的に取り組んできた企業です。2026年、同社は株式会社START WITH WHYのオンサイト型AI業務改善プログラム「AIシフト」を導入しました。担当者が2泊3日にわたって現場に入り、自社の実データを使いながら、目の前で業務改善アプリを開発する取り組みです。テーマに選んだのは、経理部門に長く残っていた入金消込の手作業でした。入金元の口座名だけではどの工事の代金か判別できず、転記・目視確認・手入力が積み重なる——。この属人的な業務を、AIでどう解いていくのか。開発を間近で体験し、社内でのAI内製へと踏み出すまでを、管理本部 経理部 部長の井上英行様と、DX推進部 部長の中原憲義様に伺いました。

Company Information

会社名 株式会社中野建設(中野ホールディングスグループ)
業種 建設業(建築・土木・道路・ハウジング)
所在地 佐賀県佐賀市水ヶ江二丁目11番23号
HP https://www.nakanet.co.jp/
ご担当者 管理本部 経理部 部長 井上 英行 様 / DX推進部 部長 中原 憲義 様
導入サービス AIシフト(オンサイト型 AI業務改善プログラム)
業務範囲 請求・入金消込業務の自動化(請求情報と入金情報の自動突合ロジック構築) / AI開発プロセスの実地レクチャー / 社内内製化に向けたノウハウ移転

導入前の課題

入金消込に残る手作業と属人化。口座名だけでは、工事代金を特定できない

中野建設様が抱えていた最大の課題は、入金消込に残る手作業の多さでした。入金があるたびに、経理担当者が入金情報をスプレッドシートに転記し、各部門の担当者がひとつずつ目視で自部門の工事代金かを確認。さらに会計システムへの入力も手作業で行われていました。

とりわけボトルネックになっていたのが、入金元の口座名だけでは、どの工事の代金かを判別できないという点でした。「口座名を見ても、それが自社のどの工事代金なのかが分からないことが非常に多かった。問い合わせても回答がなければ、こちらから推測して確認するしかなく、そこにすごく時間がかかっていました」(井上様)。

背景には、請求書を発行する担当者と、入金を確認する担当者が別部署に分かれ、情報連携が十分でなかったという構造的な課題がありました。そこで目指したのが、請求書情報と入金情報を一元管理し、自動で突合する仕組みです。システムがほぼ推測で候補を出し、担当者はチェックを入れるだけ。あとは自動で流れていく——そんな状態が理想でした。

導入の決め手

「現場に入って、一緒に取り組む」という進め方に惹かれた

きっかけは、東京で開催された展示会でした。さまざまなAIの情報を集めるなかで、「2泊3日、会社に来て一緒に取り組む」というAIシフトの進め方に強く関心を持ったと言います。ちょうど社内でAI開発に向けた研修が始まったタイミングとも重なりました。「会社の方針としても効率化という話が出ていました。展示会でAIの情報を仕入れるなかで、御社の『現場に入って一緒に取り組む』というやり方に興味を持ったのが最初のきっかけです」(中原様)。

中野建設様は、「DX認定」の取得やDX Selectionへの選出など、以前からDXに積極的に取り組んできた企業です。同じ地域・同じ業界で、ここまでAI活用に踏み込む企業はまだ多くないなかで、その一歩を早く踏み出した一社でした。

実際の取り組みと成果

入金消込の「核」を自社データで構築し、社内内製の推進力に

3日間で取り組んだのは、入金消込のなかでも最もハードルの高い「核」の部分——請求情報と入金情報を突合するロジックの構築でした。株式会社START WITH WHYの代表中村が、中野建設様の実データを使いながら、目の前で開発を進めていきます。

「中村さん自身が、目の前でどう開発を進めていくのかを見せてくださった。『これがAIの開発なんだ』と実感できたことは、何よりも代えがたい貴重な経験でした」(井上様)。自社のデータで開発が進む様子を隣で体験することで、AIへの指示の出し方、アプリの作り方を具体的に学べたと言います。

「ネットで調べても、研修でも分からなかった核心の部分を、直接教えていただけた。そこが一番うれしかったところです。今も自分でClaudeを使ってアプリを作っていますが、あのとき学んだ『伝え方』をすごく参考にしています」(井上様)。

学びは、その場だけで終わりませんでした。井上様は、習得した手法をもとに前後工程の内製を自ら進めています。入金情報の取得はマネーフォワードからの自動取得として構築し、消込後に基幹システムへ取り込む仕組みづくりへと歩を進めています。3日間で得た知見が、社内での内製の推進力になっている——それが今回の大きな成果です。

今後への期待

自社独自のAIとダッシュボードを、自分たちの手で

中原様は、今回の体験を通じて「AIはプロンプト次第で回答が大きく変わる」ことを実感したと話します。今後は社内でAI活用に意欲的な人材を発掘し、育てていく方針。「やりたい人を拾い上げる」ことと「その活用の幅を広げる」ことの二段構えで、社内の内製力を高めていく考えです。

その先に見据えるのは、自社独自のAIを構築し、ダッシュボードなども自前で作れる状態です。「AIは、興味があればどんどん進んでいける世界だと感じました。本当に本人次第です。前向きな方がいらっしゃれば、ぜひ挑戦してみてほしい。将来は自社オリジナルのAIをいつ構築できるか、それが今後の楽しみです」(中原様)。

手作業を減らすことが目的ではなく、その先で自分たちの手でつくれる状態を目指す。中野建設様の取り組みは、AI活用に踏み出そうとする建設業・中小企業にとって、ひとつの実践例になるはずです。

株式会社START WITH WHYのAIシフトでは、
担当者が現場に入り、自社の実データを使いながら業務改善アプリを一緒に形にし、
開発ノウハウを社内に残す内製化までを、建設業をはじめとする事業成長を求めるBtoB企業に対して支援しています。

よくある質問

建設業でも、入金消込はAIで自動化できますか?

はい。口座名だけでは工事代金を特定しづらいなど、建設業の入金消込には特有の難しさがあります。請求情報と入金情報を自動で突合する仕組みをAIで構築することで、担当者は候補を確認してチェックするだけ、という運用に近づけられ、手作業の転記や目視確認を減らせます。

AIシフトの2泊3日では、具体的に何をするのですか?

担当者が現場に入り、その会社の実データを使いながら、目の前で業務改善アプリを開発します。手作業が多く属人化しやすい業務の「核」となる部分を優先して構築し、開発の過程を間近で見ながら、AIへの指示の出し方を学べる点が特徴です。

AIの専門知識がなくても導入できますか?

はい。AIをどこまで活用できるか分からない状態からでも始められます。開発を隣で見ながらその場で質問できるため、ネット検索や一般的な研修では得にくい実践的な知識を、自社の業務に即して習得できます。

導入後、社内だけでAI開発を続けられますか?

続けられます。AIシフトは完成物を納品するだけでなく、開発の進め方やAIへの指示の出し方を社内に残すことを重視しています。学んだ手法をもとに、周辺業務の自動化や他システムとの連携づくりを自社で内製していけます。

どんな企業にAIシフトは向いていますか?

手作業や属人化の課題を抱え、かつ社内にAI活用を根づかせたいと考える企業に向いています。特に、建設業をはじめとする中小企業で、前向きにAIへ挑戦したいという意欲がある場合に適した取り組みです。

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