2026.10.20
インサイドセールス代行の相場と外注設計|料金体系・業務範囲・KPIの決め方【2026年版】
比較・選び方
「インサイドセールスを外注したいが、相場がわからない」「どこまでの業務を任せればいいのかイメージがつかない」――インサイドセールス代行の検討を始めると、こうした問いに最初にぶつかります。
- インサイドセールス代行の料金体系には固定型・成果型・複合型の3種類があり、業務範囲で大きく変わる
- 内製との費用比較は採用・定着コストまで含めて試算しないと判断を誤る
- 外注に出す業務範囲は「接点創出だけ」か「商談化まで」かで報酬設計が変わる
- 契約前にKPIの定義と報告サイクルを合意しないと、3ヶ月目以降に成果の評価軸がずれる
- 費用の妥当性は金額だけでなく「設計に責任を持つか」で判断する
株式会社START WITH WHY代表の中村です。弊社では大手・上場企業からスタートアップまで350社以上のご支援を行ってきました。製造業・食品卸・ヘルスケア・ホテル向けサービスといった、いわゆる検索流入に頼りにくいBtoB領域でのインサイドセールス支援が厚く、現場で見えてきた料金の実態と、外注設計で失敗しやすいポイントをこの記事にまとめています。
料金の数字は断定できるものではありません。以下に挙げる相場レンジは業界公開情報と当社の支援実績から集約した目安です。実際の見積もりは商材・ターゲット・支援範囲によって上下するため、比較判断の基準としてご活用ください。
インサイドセールス代行の料金体系3タイプ
インサイドセールス代行の費用を比較しようとすると、見積もりの作りが会社によってまったく違うことに気づきます。これは料金体系が複数存在するためです。まずここを整理しておかないと、安い見積もりに見えて実は業務範囲が狭かった、という事態が起きます。
代行料金体系3タイプ比較
業務範囲と成果責任の置き方で選ぶ
| 観点 | 固定報酬型 | 成果報酬型 | 複合型 |
|---|---|---|---|
| 費用目安 | 月額30〜80万円 | 商談1件2〜8万円 | 固定15〜40万円+成果分 |
| 初期費用 | 5〜20万円 | 0〜10万円 | 5〜15万円 |
| 成果が出ない月の費用 | 発生する | 発生しない | 固定分は発生 |
| 設計関与の深さ | 高い傾向 | 低い傾向 | 中程度 |
| 向いている局面 | 中長期の仕組み化 | 小さく試す | コストと責任のバランス |
当社実績および業界調査からの推計(2026年時点)。商材・ターゲット・支援範囲により上下する
固定報酬型
月額固定で稼働費を支払うタイプです。担当者の稼働時間に応じた段階制が基本形で、インサイドセールス専任の稼働時間(月40〜80時間程度)を軸にプランが組まれることが多いです。
- 費用目安:月額30〜80万円(稼働量・担当者のレベル・マネジメント込みかどうかで変動)
- 向いているケース:中長期で商談化の仕組みを作りたい場合、ナーチャリングや接触履歴の蓄積を重視する場合
- 注意点:成果が出なくても費用は発生します。「誰が設計して誰が実行するか」を確認せずに契約すると、稼働はしているが成果の改善が止まるという状況が生まれやすい
成果報酬型
アポイント獲得や有効商談数など、成果に応じて費用が発生するタイプです。
- 費用目安:有効商談1件あたり2〜8万円(商材の単価・ターゲットの難易度による)
- 向いているケース:初期投資を抑えてまず試したい場合、アポイント獲得に特化した外注をしたい場合
- 注意点:「アポイントは取れたが質が低く商談化しない」という問題が起きやすい構造です。代行会社が数をこなすインセンティブを持ちやすいため、有効商談の定義を契約前に明確に合意しておくことが必須です
複合型(固定+成果報酬)
基本稼働の固定費に加えて、商談数や案件化数に応じたインセンティブが加算されるタイプです。
- 費用目安:月額15〜40万円の固定+有効商談1件あたり1〜3万円
- 向いているケース:コストをある程度抑えながら、成果にも責任を持たせたい場合
- 注意点:費用構造が複雑になるため、月次での総額シミュレーションを事前に依頼しておくことをすすめます
内製と外注の費用比較の考え方
「外注すると月50万かかる。それなら社内で採用したほうが安い」という声をよく聞きます。この判断は、採用・定着コストを所与にしないと正確に比較できません。
内製vs外注のコスト比較
採用・定着コストまで含めて判断する
| 費用項目 | 内製(正社員採用) | 外注(代行) |
|---|---|---|
| 初期コスト | 採用広告・紹介手数料(年収30〜35%) | 初期費用5〜20万円 |
| 立ち上げ期間 | 3〜6ヶ月(戦力化まで) | 2〜4週間(稼働開始まで) |
| 月次固定費 | 給与+社保+ツール費 | 月額固定費のみ |
| ターゲット変更時 | 教育・再設計に時間がかかる | 週次で方針転換しやすい |
| ナレッジ蓄積 | 社内に残る | 契約終了時に消えやすい |
費用は一般的な目安。採用費は人材紹介の場合の相場を参考にした概算
営業職の有効求人倍率は2.05倍(令和8年8月時点・厚生労働省)で、全職種平均の1.06倍を大きく上回る人手不足状態です(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」)。採用できたとしても、インサイドセールスの実行能力が育つまでには一般に3〜6ヶ月の立ち上げ期間が必要です。この間の人件費と機会損失は、外注の固定費と比べるときに合算しないと正しい判断になりません。
また2026年度の総人件費増加見込みは平均4.51%で、ベースアップ実施企業は58.3%と5年連続で過去最高を更新しています(帝国データバンク「2026年度の賃金動向に関する企業の意識調査」)。固定費としての正社員採用をどこまで増やすか、という判断は以前より慎重さが求められる状況です。
費用比較で見落としやすい項目を整理すると、採用広告費・人材紹介手数料(年収の30〜35%が目安)・入社後の研修コスト・ツール・リスト費用・マネジメント工数が挙げられます。内製の「見えない固定費」を計算に入れると、外注との差は一般に思われているより小さくなることが多いです。
外注が有利な局面は、「今すぐ立ち上げたい」「ターゲット変更を繰り返しながら仮説検証したい」「人員増加のリスクを取れない」という3条件のどれかに当てはまるときです。逆に、商談パターンが固まっていて量を増やすだけなら内製のほうがコスト効率が出やすくなります。
お役立ち資料(無料)
失敗しない営業代行の選び方
営業代行会社を選ぶ際に確認すべき発注基準30項目をまとめた選定チェックリストです。比較・選定で迷ったときの判断材料に使えます。
外注に出す業務範囲の決め方
インサイドセールス代行への依頼範囲を「とりあえず全部」にすると、自社の営業担当が商談の背景を理解できないまま引き継ぐことになり、フィールドセールスとの連携が機能しなくなります。業務範囲を決めるときは、どのフェーズを外に出すかではなく「どこで自社の判断が必要か」を起点に考えるのが実用的です。
外注業務範囲の決め方
「どこで自社判断が必要か」から逆算する
- Step 1:自社の営業フローを分解
アプローチ・接触・ヒアリング・提案・クロージングを段階で書き出す - Step 2:自社が判断すべき箇所を特定
価格・条件・社内稟議など、外に出せない意思決定箇所を明確にする - Step 3:外注範囲の上限を決める
商談化まで委託するか、アポイント獲得までに絞るかを決定する - Step 4:引き継ぎ基準を定義
外注先から自社へのトスアップ条件(予算・時期・課題の合意)を言語化する - Step 5:報告フォーマットを合意
週次・月次で確認する指標と報告内容を契約前に決める
接点創出だけを外注するパターン
ターゲットリストの作成、架電・メール送信、アポイント獲得までを外注し、商談以降は自社が担当します。インサイドセールスの外注として最も多い形態で、成果の評価がアポイント数でわかりやすい反面、アポイントの質の担保を会社間で明確に合意しないと機能しません。
当社の支援事例(食品・酒類卸)では、総アプローチ1,248件に対してサンプル送付・商談獲得22件(獲得率7.1%)、うち4件が早期契約という結果を一例として記録しています。ターゲットを「客単価8,000円以上のイタリアン・ビストロ」に絞り込み直したことが、この結果につながっています。接点創出だけを外注する場合でも、ターゲット設計に外注先が関与できるかどうかが成果を左右します。
商談化まで含めるパターン
アポイント獲得後の初回ヒアリング・ニーズ整理・商談資料の作成補助まで外注し、クロージングだけ自社が担当する形です。リードタイムが長い商材や、初回接触で温度感の差が大きいターゲット(製造業・医療機関・宿泊施設など)で有効です。この範囲まで委託すると月額は80万円以上になることもありますが、フィールドセールスが対応する商談の質が上がるため、受注率への影響が出やすくなります。
設計から実行まで伴走してもらうパターン
ターゲット設定・スクリプト作成・KPI設計・実行・改善のループ全体を委託します。新規事業の立ち上げや、既存の営業体制を組み直す必要があるフェーズで選ばれます。費用は月額80〜150万円程度になりますが、「何が機能しなかったか」の原因分析まで委託先に責任を持たせられるため、PDCAが速く回る点が特徴です。
詳しい業務範囲の切り分けについては、インサイドセールスとは何か|フィールドセールス・BDRとの役割分担で理解するもあわせてご覧ください。
無料オンライン相談(30分)
インサイドセールスの外注範囲と費用を、30分で一緒に整理します
テレアポ中心か、リードの育成まで任せるかで、必要な稼働と費用は変わります。自社の商談化の目標から、外注する範囲と課金の形を担当者が一緒に整理します。売り込みは行いません。
契約前に確認するKPIと報告項目
インサイドセールス代行で3ヶ月目以降に「成果が出ているのかどうかわからない」という状況になる会社の多くは、契約時にKPIの定義と報告の粒度を合意していません。費用の話よりも先にこちらを固めるべきです。
契約前に確認すべき5項目
KPIと報告の合意が3ヶ月目の評価を左右する
- 有効商談の定義:「アポイント」と「有効商談」の違いを言語化して合意しているか
- KPIの段階設計:接続率・反応率・商談化率など中間指標まで追うか確認する
- NG理由の報告:断られた理由を分類して翌週の改善に活かす仕組みがあるか
- ターゲット変更の権限:リスト・訴求の変更を誰がどのタイミングで判断できるか
- 月次改善提案の有無:翌月の方針が言語化されたレポートが提出されるか
Q. インサイドセールス代行のKPIは何を設定すべきですか?
商談化数(有効商談数)を最終KPIに置くのが基本ですが、それだけでは途中の詰まり箇所がわかりません。アプローチ数→到達率(キーマン接続率)→反応率→アポイント獲得率→商談化率という段階ごとの歩留まりを数式で管理し、どのフェーズで止まっているかを週次で確認できる体制を作ることが重要です。
初期3ヶ月はアポイント数より「接続率の改善」「ターゲットセグメントの見直し」に焦点を当てたほうが結果的に商談化数が増えます。詳細はBDR KPIの設計と成果の見方|初期3ヶ月で何を追うかを参考にしてください。
Q. 報告にはどんな内容を含めてもらうべきですか?
最低限確認すべき報告項目は5つです。
- 架電・送信件数と接続率:活動量の基礎データ。「稼働しているか」の確認
- NG理由の分類:「今は不要」「他社使用中」「そもそも課題がない」のどれかで次の打ち手が変わります
- スクリプト・訴求の変更履歴:何を変えて何が変わったか。改善のログがないと同じ失敗を繰り返します
- 商談候補先のリスト(温度感付き):アポイントにならなかった接触先のうち、将来的に商談化できる可能性があるものをプールしているか
- 月次の課題と翌月の方針:「今月うまくいかなかった理由」と「来月どう変えるか」が言語化されているかどうか
活動をブラックボックスにしない姿勢があるかどうかは、提案時に「過去の運用レポートを見せてください」と依頼することで確認できます。
外注先の選択マトリクス
設計関与×業務範囲で委託先の型を分類
| 設計への関与\外注する業務範囲 | 狭い(アポのみ) | 広い(商談化まで) |
|---|---|---|
| 高い | 設計なし・広範囲委託:品質管理が難しい | 設計あり・商談化まで:最も成果が出やすい |
| 低い | 設計なし・アポのみ:量は出るが質が不安定 | 設計あり・アポのみ:検証フェーズに向く |
営業代行会社を会社名で並べて比較したい場合は、「営業代行会社15社の比較一覧」で料金体系と得意な領域を一覧にしています。
インサイドセールス以外も含めた営業代行全体の料金体系と相場は、「営業代行の費用相場|料金体系3タイプと業務別単価の一覧」で整理しています。
費用よりも先に確認すること
インサイドセールスの外注を比較するとき、「安い会社」を選ぶ前に確認すべきことが一つあります。それは「設計に責任を持つか」という点です。
架電オペレーターがスクリプト通りに動くだけの代行と、ターゲット設計・スクリプト作成・接触後の分析改善まで一気通貫で関わる代行では、費用の意味がまったく異なります。月額20万円でアポイント獲得数だけを追う代行と、月額60万円でターゲットの絞り込みから商談化率の改善まで設計する代行を、同じ基準で比較することはできません。
見積もりを並べたときに確認すべきは、「誰がターゲット設計をするか」「NG理由の分析はどこまでやるか」「月次改善の提案は含まれるか」の3点です。この3点が明確でない見積もりは、予算が安くても実質的な投資対効果が出にくい傾向があります。
インサイドセールスの外注で失敗した経験がある企業の多くは、「費用が安かった」ではなく「設計のフェーズから関わってもらえなかった」という課題を抱えています。外注先を選ぶ際は、費用の比較と同時に「どこまで設計に入ってもらえるか」を確認することをすすめます。
インサイドセールス代行の活用を具体的に検討されている方は、お問い合わせからご相談ください。当社の支援内容についてはインサイドセールスとは?BtoB営業での意味・やり方・導入方法を解説もあわせてご参照ください。