2026.06.12
営業代行おすすめ【ホテル業界向け】宿泊施設への新規営業が難しい理由と突破口
業界別ガイド
「ホテルチェーンに商材を売りたいが、誰に話せばいいかわからない」「テレアポをかけても現場担当者で止まってしまう」「展示会で名刺をもらっても、その後がまったく進まない」――ホテル業界への新規営業に特有のハードルは、SaaS向けの営業代行おすすめ事例をそのまま参考にしても、なかなか解決しません。
この記事では、食品・卸/ヘルスケア/ホテルなど事業成長を求めるBtoB企業を中心に300社以上の営業支援を手がけてきた株式会社START WITH WHYが、宿泊施設向け商材・サービスの新規営業代行について、ホテル業界特有の商流・意思決定構造・長期契約化のコツを整理します。「営業代行おすすめ」を探しているが、自社のターゲットがホテルチェーンや宿泊施設運営企業である場合に、特に参考にしていただきたい内容です。
なお、この記事で扱うのは食品・消耗品・清掃・設備・ITシステムなどをホテルに提供するBtoB企業の営業課題です。旅行者向けのBtoC観点とは異なります。
ホテル業界向け営業の特有ハードル
ホテルへの新規営業が難しい理由を「担当者につながりにくいから」と片付けてしまうと、本質を見誤ります。難しさの構造は、もう少し複雑なところにあります。
意思決定ラインが縦にも横にも複雑
一般的なBtoB営業であれば「担当者→部長→社長」という縦のラインを押さえれば意思決定が進むことが多いですが、ホテル業界はそうなっていません。
大手ホテルチェーンの場合、客室備品・アメニティ・食材・清掃用品・システム導入のそれぞれで承認ラインが異なります。現場の総支配人が強い権限を持つ案件もあれば、本社の購買部門が一括で仕入れルートを決める案件もあります。さらにチェーンブランドによっては、フランチャイズオーナーが独自に意思決定できる範囲と、本部が決める範囲が混在しています。
「誰に提案すれば前に進むか」が商材カテゴリと契約形態によって変わるため、ターゲット担当者の設定を間違えると、いくらアポを取っても進展しない状態が続きます。
購買タイミングが読みにくい
ホテルの備品・サービス調達には、大きく2つのタイミングがあります。一つは開業・改装のタイミング。もう一つは既存の契約更新・切り替えのタイミングです。
前者はわかりやすい一方で競合他社も参入しやすく、後者は外から見えにくいのが問題です。「今の仕入れ先をいつ見直すか」はホテル側の内部事情に依存しており、タイミングが合わないと「今は動けない」で終わります。食品商材や消耗品でも年間の契約単位で動いていることが多いため、契約更新時期から逆算して3〜6か月前にアプローチを始めないと間に合わないケースが多くあります。
「実績のない会社は通さない」という文化的障壁
ホテル業界、特に老舗のシティホテルや高級旅館のカテゴリでは、仕入れ先の信頼性を非常に重視します。「他のホテルで使われているか」「同ブランドの他拠点での実績があるか」が、担当者の内部稟議を通すための根拠になります。
逆にいえば、最初の1件さえ取れれば横展開がしやすい構造でもあります。ただし、その最初の1件に壁があります。
現場担当者と本部調達の温度差
現場のレストランマネージャーや客室担当が「この商品を使いたい」と思っていても、本部の購買方針や既存の仕入れルートが変わらなければ導入できない、というケースが頻繁に起きます。逆に、本部主導で標準化されたアイテムを押し付けられた現場がひそかに不満を持っているケースもあります。
この温度差を把握せずに一方向だけにアプローチすると、「現場はいいと言っているのに本部で止まる」か「本部が承認したのに現場が使わない」という失敗に陥ります。
| ハードル | 具体的な症状 | よくある失敗パターン |
|---|---|---|
| 意思決定ラインの複雑さ | 担当者は好意的なのに話が進まない | 現場担当者だけにアプローチし続ける |
| 購買タイミングのズレ | 「今は予算がない」「来期検討する」で止まる | タイミングを無視して全件一斉架電 |
| 実績要件の壁 | 「他でどこか使っていますか?」で詰まる | 実績がないまま大手本部に提案する |
| 現場と本部の温度差 | 現場OKだが本部で却下、またはその逆 | 片方だけに話して満足してしまう |
意思決定者との接点作りの実践例
ホテル業界の意思決定構造を理解した上で、どう接点を作るか。テレアポ一本では限界がある理由と、実際に機能したアプローチの組み合わせを整理します。
まず「誰が決める案件か」を商材カテゴリで仮説化する
ホテル向け営業で最初にやるべきことは、自社商材がどのカテゴリに属し、どのラインで意思決定されるかを仮説として持つことです。
- 客室アメニティ・消耗品:本部の客室部門または購買部門が主導することが多い
- レストラン向け食材・飲料:拠点のF&Bマネージャーが一定の裁量を持つケースが多い
- 清掃・ランドリー関連:本部の施設管理部門または外部委託先の管理会社が決定権を持つことがある
- フロント・予約システム:本部のIT・システム担当が主導し、承認ラインが長い
この仮説なしに「とりあえず代表番号に電話する」を続けると、誰とも話せないまま時間が消費されます。商材カテゴリと意思決定者の対応関係を事前に整理しておくことが、ホテル向け営業の出発点です。
テレアポ単独ではなく「認知→接触→提案」の設計が必要
ホテル業界では、テレアポのみでのアポ取得は難易度が高いカテゴリです。「知らない会社から電話がきた」という状態で最初の接触をしてしまうと、現場担当者に遮断されて終わります。認知の下地を作った上で接触するほうが、アポ取得率と商談進展率の両方が改善します。
具体的に機能したパターンは以下のとおりです。
- 業界団体・展示会への出展または参加:HCJ(ホテル・飲食・給食の総合展示会)やFOODEX JAPANなど、ホテル購買担当者が訪れる場所での接点作り。名刺交換後のフォローが本命です
- DMと電話の組み合わせ:先に一枚の手紙DMを送り、「先日DMをお送りした○○の件で」という切り口で電話する。テレアポ単独より「見覚えがある」分だけ話を聞いてもらいやすくなります
- 紹介・仲介の活用:ホテル業界は人脈が効く業界です。ホテル向けに別の商材を納めているサプライヤーや、コンサルタント・設計会社との連携で担当者を紹介してもらえると、初回の信頼コストが大きく下がります
- 既存拠点からの横展開:同一チェーンの一拠点で実績を作った後、「同じブランドの他拠点でも活用いただいています」という切り口で本部への提案に繋げる。これが最も成約率が高いルートです
「今の仕入れ先をいつ見直すか」を聞き出す会話設計
接点ができた後の商談で押さえておきたいのは、購買タイミングの確認です。「ご興味はありますか?」ではなく、「現在の仕入れ先との契約はいつ更新になりますか?」「新しい商品を試していただけるタイミングはいつでしょうか?」という質問を早い段階で入れることで、3か月後・6か月後のフォローアップ計画が立てられます。
タイミングを把握しないまま「また連絡します」と言って関係が途切れるパターンが、ホテル向け営業における最大の損失です。
食品・サービス商材の代理販売スキーム
ホテル向け営業では、自社で直販するだけが正解ではありません。代理販売・アライアンスを組み合わせることで、販路構築のスピードと到達範囲が大きく変わります。
食品・飲料商材での代理販売が機能する3条件
食品・飲料カテゴリでホテル向けの代理販売スキームを組む場合、以下の3条件が揃っているかを先に確認しておくと判断ミスを減らせます。
- 代理店がホテルとの取引実績を持っている:卸や食材商社が既にホテルの購買担当者と関係を持っていることが、商品を棚に乗せるための最短ルートになります
- マージン設計がサステナブルであること:代理店に利益が出ない設計では継続して売ってもらえません。代理店の販売インセンティブを設計する段階から逆算して、自社の卸値を決める順序が効きます
- 代理店が自社商品を「推す理由」を持てること:代理店は複数の商品を扱っています。「この商品を売るとホテルへの提案がしやすい」「他社商材と組み合わせると提案の幅が広がる」という納得感が、代理店の自発的な営業を引き出します
サービス商材(清掃・ITシステムなど)での代理スキーム
食品以外のサービス商材では、代理販売よりも「紹介フィー型の業務提携」が現実的な選択肢になることが多いです。ホテル向けのPMS(プロパティ管理システム:客室・予約・フロント業務を一元管理するシステム)導入を支援するコンサルタントや、改装案件を手がける設計事務所が、関連サービスを紹介する構造です。
この場合、紹介者が「紹介して恥ずかしくない」と感じられる品質・実績の担保が前提です。紹介フィーを払えばいいという話ではなく、紹介先でのサービス品質が紹介者の信頼にも直結するという意識を持っておくと、関係が長続きします。
代理販売スキームを組む際の主な論点
| 論点 | 検討ポイント | よくある失敗 |
|---|---|---|
| 代理店の選定 | ホテルとの既存取引関係・担当者のコネクション | 実績のない代理店と組んで開拓コストが自社負担になる |
| マージン設計 | 代理店の粗利率・販売インセンティブの設計 | 卸値を下げすぎて代理店の優先度が落ちる |
| 情報共有の仕組み | 商談進捗・顧客情報の共有ルール | 代理店任せで進捗が見えず、放置状態になる |
| 契約条件の整理 | 独占・非独占、エリア区分、解約条件 | 独占契約を与えたが代理店が動かず機会損失 |
| サポート体制 | 代理店向けの営業サポート・資料・研修 | 商品知識が不足した代理店が誤った説明をする |
直販と代理販売の使い分け
代理販売は「自社にホテルの購買担当者へのルートがない」場合に有効ですが、代理販売だけに依存すると顧客との直接関係が薄くなり、情報収集や契約更新の主導権を代理店に握られるリスクがあります。理想的なのは、代理販売で最初の拠点を獲得し、実績を作った上で直接取引のルートを並走させる設計です。
START WITH WHYの支援事例では、最初の6か月を代理店経由の開拓に使い、3〜5拠点の実績ができた段階で本部への直接提案に切り替えるパターンが、成果が出るまでの期間を短縮する傾向がありました(内部リンク先の事例ページもあわせてご確認ください)。
施設系企業との長期契約化のコツ
ホテル向け営業の難しさはアポ取得だけではありません。「試しに使ってみます」から「年間契約」「複数拠点への展開」へと育てる部分が、最も差が出るフェーズです。
最初の契約を「小さく確実に」設計する
ホテル業界の担当者は、初めての取引先に対して大きなコミットをするリスクを嫌います。「まず1フロア分だけ試す」「1拠点で3か月間試験的に使う」という小さな入口を設計することで、最初の合意が取りやすくなります。
この際、「試験導入」を「本格導入への評価期間」として位置づけ、評価指標をあらかじめ合意しておくと後の判断がスムーズです。「3か月後に何を見て判断するか」を最初の商談で確認しておかないと、試験導入が「検討継続中」のまま有耶無耶になります。
現場とのリレーションを丁寧に積み上げる
ホテル業界では、担当者が異動することが定期的にあります。決裁者が変わったタイミングで契約が見直されるリスクは小さくありません。このリスクを下げるのは、特定の担当者との関係だけでなく「現場全体に使われている状態」を作ることです。
現場スタッフが「この商品(サービス)があると助かる」と感じている状態になれば、担当者が変わっても継続されやすくなります。導入後の現場フォローを怠らないことが、長期契約の土台です。
横展開を「担当者の成功体験」として設計する
同一チェーンの別拠点への横展開を進める際、最も有効なのは「最初に導入を決めた担当者が社内で評価される」という構図を作ることです。導入拠点での成果レポートを担当者が社内で共有しやすい形でまとめ、「Aさんが選んでくれた商品が○○という成果を出した」という事実を作る。これが、担当者自身が他拠点への展開を提案してくれる動機になります。
外部から本部への横展開提案を押し込むより、内部の担当者が旗振り役になってくれる構造を作るほうが、ホテル業界では成功率が高い傾向があります。
契約更新を「当たり前」にするための運用設計
施設系企業との契約継続で押さえておきたいのは、「更新の時期に改めて提案する」のではなく、「更新しないことのコストが担当者に見える」状態を作ることです。
- 定期的な使用状況レポートの提供(コスト削減額・スタッフ満足度など数値で示せるものを含める)
- 新メニュー・新機能の優先案内を契約継続のベネフィットとして位置づける
- 更新3か月前には担当者と対面またはオンラインで状況確認の場を設ける
これらをルーティン化できている会社とそうでない会社では、契約更新率に明確な差が出ます。ホテル側の担当者は多くの業務を抱えており、自発的に「この契約を更新しよう」と動く余裕が少ないことが多いです。更新のアクションを取りやすくする設計は、売り手側の責任として意識しておくと良いでしょう。
長期契約化のフェーズ別チェックリスト
| フェーズ | やること | やらないと起きること |
|---|---|---|
| 初回導入前 | 評価指標・判断タイミングを合意する | 試験導入が永遠に「検討中」のまま終わる |
| 導入直後(1〜3か月) | 現場フォロー・使用状況の確認 | 現場で使われなくなり、3か月で打ち切られる |
| 中間(3〜6か月) | 成果レポートを担当者と一緒に作る | 担当者が社内で「何が良かったか」を説明できない |
| 横展開検討期 | 担当者が社内提案しやすい資料を渡す | 横展開が外部任せになり、タイミングを逃す |
| 更新3か月前 | 状況確認・新提案・更新メリットの整理 | 競合が先に更新交渉に来て差し替えられる |
ホテル業界向け営業代行の選び方と注意点
ここまでの内容を踏まえて、ホテル業界への新規営業に「営業代行おすすめ」を探している場合に、何を基準に選ぶかを整理します。
「ホテル業界への営業経験がある」を確認する
営業代行会社の多くは、SaaSや人材業界向けの実績を主力としています。アポ取得の架電スキルは高くても、ホテル特有の意思決定構造や購買タイミングの読み方に習熟していない会社に依頼すると、アポは取れても商談が進まない、という状況に陥りやすいです。
選定時は「ホテル・宿泊施設向けの営業支援をした実績があるか」「どんな商材カテゴリで、どのくらいの期間・規模で支援したか」を具体的に確認することを勧めます。実績の社名は出せなくても、「業界・商材カテゴリ・支援内容」の概要は説明できるはずです。
戦略設計から実行まで一気通貫で担えるか
ホテル業界への営業は、「架電数を増やせば解決する」という性質の課題ではありません。誰にアプローチするか、どのチャネルで接触するか、タイミングをどう読むか――この設計部分の精度が成否を分けます。
架電の実行だけを担う代行会社に依頼するのではなく、ターゲット設計・接触チャネルの設計・商談後のフォローまで一気通貫で担える会社を選ぶほうが、ホテル業界での成果に結びつきやすいです。
営業代行会社の費用相場や料金体系の比較は営業代行の費用相場|料金体系3タイプと失敗回避策にまとめています。また、総合型の営業代行会社の比較は営業代行おすすめ10社比較も参考にしてください。
「断られた理由」を資産にできるか
ホテル業界では、アポが取れなかった・提案が断られた理由の中に、業界の購買構造・競合状況・タイミングに関する貴重な情報が含まれています。「断られた理由をどう分析し、次のアプローチに活かすか」を仕組み化できている営業代行会社かどうかは、選定時の判断基準として機能します。
ホテル業界への営業代行支援について、株式会社START WITH WHYの具体的な取り組みや事例はアウトバウンド営業代行とは?成果が出る会社の特徴もあわせてご確認ください。
ホテル業界への営業は「構造の理解」から始まる
ホテル業界への新規営業代行で成果が出るかどうかは、一般的な「営業代行おすすめ」の文脈で語られる話とは異なる部分が多くあります。この記事で整理した4点がここでの要点です。
- 意思決定ラインの把握:誰が決める案件かを商材カテゴリで仮説化する
- 購買タイミングの読み方:契約更新時期を早い段階で確認し、3〜6か月前からアプローチする
- 代理販売スキームの設計:代理店の選定・マージン・サポート体制を整えた上で組む
- 長期契約化の仕組み化:試験導入の評価指標・現場フォロー・更新アクションをルーティン化する
ホテル業界は、一度信頼を得た取引先との関係が長く続く傾向があります。最初の1件を取るまでのコストと時間は確かにかかりますが、その後の横展開・長期継続を考えると、丁寧に設計した営業が結果として効率的です。
「ホテル向けの商材を持っているが、どこからアプローチすればいいか整理できていない」という場合は、ターゲット設計の段階からご相談いただけると、具体的な方針を一緒に考えることができます。株式会社START WITH WHYへのご相談は、サイト内のお問い合わせフォームよりどうぞ。
よくある質問
Q. ホテル業界への営業代行を依頼する場合、どんな実績を確認すればいいですか?
A. 「ホテル・宿泊施設向けの営業支援経験があるか」「どの商材カテゴリ(食品・消耗品・清掃・ITシステムなど)で、どの程度の期間・規模で支援したか」を確認してください。社名開示が難しくても、業界・商材・支援内容の概要は説明できる会社を選ぶのが基本です。
Q. ホテルへの新規営業でテレアポはまったく機能しませんか?
A. テレアポが機能しないわけではありませんが、単独では難易度が高いカテゴリです。事前にDMや展示会接点などで「見覚えのある会社」になった上で電話するほうが、アポ取得率・商談進展率の両方が改善します。テレアポはあくまで「認知→接触→提案」の接触手段の一つとして位置づけるのが現実的です。
Q. ホテル業界に実績がない状態で新規営業を始めるにはどうすればいいですか?
A. 大手本部への直接提案より、個別拠点やビジネスホテルなど意思決定が比較的シンプルな施設から始めて最初の1件を取ることを優先してください。1拠点の実績ができれば「同ブランドの他拠点でも活用いただいています」という切り口が使えるようになり、横展開のルートが開きます。
Q. 代理販売スキームを組む場合、代理店にはどのくらいのマージンを設定すべきですか?
A. 商材カテゴリによって異なるため一律の目安は難しいですが、代理店が「この商品を積極的に売る動機が持てるか」を基準に設計してください。代理店の他取扱商品と比べて粗利率が劣ると優先度が下がります。卸値の決定は、代理店の販売インセンティブを先に設計してから逆算する順序が効きます。
Q. ホテル業界向けの営業で、提案から受注までどのくらいの期間を見ておくべきですか?
A. 商材カテゴリや拠点規模によりますが、食品・消耗品などの調達は年間契約単位で動いているケースが多く、契約更新時期の3〜6か月前からアプローチを始めても間に合わないことがあります。初回接触から受注まで6か月〜1年程度を見越した中長期のフォロー設計が現実的です。